ビジネス
2017.1.13

ナカダ産業、海岸、河川を護る
ロックユニットを開発、公共工事で普及へ(1/2)

ゴルフ練習場や建築現場でよく見かける繊維ネット。いま、そうした繊維ネットを巾着状に編み、その中に石を入れた構造の「E-ユニット」(工法名:袋詰め玉石工)が海岸や河川の護岸工事に使われ始めた(図1)。E-ユニットは海岸などの洗掘防止に効果が高く、従来から使用されているコンクリート製の消波ブロックよりも安く、現場で石を中詰めするため素早い設置が可能だ。今後、公共工事で更に普及していくことが予想される。

図1●海岸に設置が進むロックユニット
図1●海岸に設置が進むロックユニット

こうした護岸・海岸用の袋詰め玉石工法用袋材E-ユニットを製造・販売するのが、陸上ネット分野で国内シェア約40%を持つナカダ産業(静岡県島田市)である。同社は、ゴルフ練習場の防球ネットや建築現場の安全ネットで培った技術をベースに、新たに護岸・海岸用の繊維ネット市場を開拓しようとしている。

「海岸用(河川護岸用途では無く)の袋詰め玉石工の大型案件の受注に成功したのは約11年前である。そのころは旧建設省が実証実験を行い指針とした、河川護岸用の袋詰め玉石工の設計基準しか存在していなかった。ナカダ産業にとって手探りの状態ではあったが、河川護岸用のE-ユニットをベースに発注者(=国土交通省)の要求する重量を繊維ネットで満たす製作実験を繰り返し、実証結果を提案する事で受注に成功した。この案件の受注がきっかけとなり、製品のテスト製作による強度確認だけでなく、ミニチュアモデルでの水理実験を行い製品仕様の検討を行うなど、使用時を想定した製品スペックの選定を行う必要性を感じると共に、護岸・海岸用の繊維ネットの市場開拓を行うきっかけとなった」と、ナカダ産業常務取締役営業本部長の蓑川的人氏(写真)は語る。

漁網から陸上ネットへ

写真●ナカダ産業常務取締役営業本部長の蓑川的人氏
写真●ナカダ産業常務取締役営業本部長の蓑川的人氏

ナカダ産業は昭和22年創業の陸上用繊維ネットの専業メーカーである。元々は漁網用の撚糸を製造していた。社名も仲田漁網撚糸工場だった。それが徐々に最終製品まで手掛けるようになった。昭和30年代から昭和40年代前半にかけては、焼津の鮪遠洋漁師向け漁網が主力製品だった。ところが、漁は豊漁もあれば不漁もある。「元々の代金回収条件が遠洋漁船向けの為、1年後であったが、不漁に終わった年には、代金回収が更にもう1年といったケースもあったと聞いている」(蓑川氏)。これでは事業が成り立たないと、同社はいち早く漁網製造から陸上ネット製造へと事業転換を図った。

その後バブル期のゴルフブームの追い風に乗り、業績は右肩上がりに伸びていった。ところがバブルが崩壊すると、赤字にはならなかったものの、売上はピーク時の1/2程度に落ち込んだ。事業の立て直しの柱としてナカダ産業が打ち出した方針が新たな市場の開拓である。同社は繊維メーカーより専門のエンジニアを得て、そのエンジニアを中心に製鉄会社の粉塵対策ネットや河川用の護岸洗掘ネットの開発を始めた。1998年頃のことである。現在、同社は建築、鳥獣害対策、スポーツ、土木と幅広い分野に繊維ネットを供給している。

ナカダ産業の売上はピーク時に近い数値に戻っており、次の成長の牽引役として同社が注力しているのが海岸用の大型袋体「E-ユニット・セル型グラベルマット・ロックユニット」である。「建築向けは高度成長期のビルの建て替え需要があり、いまは非常に好調だ。しかし、いずれそれも元に戻る時が来る」と、蓑川氏は自社の主力市場を冷静に分析する。

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スーパーE-ユニット/セル型グランベルマットの
仕様・製造方法、施工方法

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