ビジネス
2017.08.17

機能性介護食の開発に着手、ウェルビーフードシステム
「地域食材×ソフト食」で高齢者の自立支援を促進

給食業務受託サービスを手掛けるウェルビーフードシステム(静岡市)が、高齢者の身体機能回復につながる介護食品の開発に力を入れている。静岡県の地域食材の健康機能性と、同社の介護食開発技術を組み合わせ、「機能性介護食」の事業化を進める。介護政策が、介助中心から自立支援へとシフトする中、高齢者の機能回復を促す食品に需要があると判断した。
「静岡県民の健康寿命は、女性が2位、男性が3位と全国トップレベル(2015年厚生労働科学研究)となっている。背景の一つが、緑茶や温州ミカン、水産資源など、健康機能性の高い食材が豊富にあること。これらの機能性素材に着目し、介護食への展開を図っていく」(ウェルビーフードシステム代表取締役古谷博義氏)。

嚥下困難な高齢者向けの「ソフト食」を開発

カギとなるのが、同社が2010年に開発した高齢者向け「ソフト食」の特殊調理技術。見た目が通常食に近く、かつ飲み込みやすい介護食を可能にし、食品の飲み込みが困難な高齢者をケアする高齢者施設や医療機関から評価を得ている(図1)。
「これまで提供されてきたペースト食は、誤嚥のリスクがあり、見た目が悪いので食欲がわかず、身体機能の低下につながる懸念があった。ソフト食は、適度な粘度があり見た目を維持しやすい、べたつかずのど越しが良い、といった特徴がある。高齢者のQOL低下を防ぎながら、機能回復を支援することができる」(ウェルビーフードシステム専務取締役川口尚宜氏)。
とろみ剤や調味料、水分などの配合量を調整することで、高齢者の状態に応じたソフト食を提供する。例えば、同じ野菜でも、季節によって水分量が異なるので、現場のスタッフが状態に応じて最適な硬さに調整していく。こうしたノウハウを集合研修などを通じて共有することで、現在では、ほとんどの食事をソフト食化できるという。

ウェルビーフードシステム 代表取締役 古谷博義 氏
ウェルビーフードシステム
代表取締役 古谷博義 氏
ウェルビーフードシステム 専務取締役 川口尚宜 氏
ウェルビーフードシステム
専務取締役 川口尚宜 氏
図1●ウェルビーソフト食と常食比較
図1●ウェルビーソフト食と常食比較

機能性介護食市場の開拓

「ソフト食によって食欲が回復し、介護状態が改善した高齢者も確認できている」(古谷氏)。今後は、「見た目」「食べやすさ」という機能性に、健康機能性を加えることで、機能性介護食という新市場の開拓を目指す。具体的な機能性素材の選定はこれからだが、静岡県産の食材を活用し、高齢者の身体機能回復、自立支援に寄与するか検証していく方針。
「注目しているのは、昭和女子大学女性健康科学研究所の江﨑治所長らの研究チームの報告」(川口氏)。江﨑氏は、ココナッツオイルの主成分として知られる中鎖脂肪酸、アミノ酸の一種であるロイシン、ビタミンDを通常の食事に加えて摂ってもらうことで、高齢者の筋力や筋肉機能が改善することを確認した(データ:J Nutr.146(5):1017-26, 2016)。
現在、同社は計62事業所に1日計1万6000食を提供している。事業所内での調理加工が中心だが、2014年からセントラルキッチンが稼働(写真1)。1日1600食を同キッチンで生産する体制を整えている。

写真1●セントラルキッチン
写真1●セントラルキッチン
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(株)ウェルビーフードシステム 機能性介護食 「ウェルビーソフト食」説明資料

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